薬王堂気まぐれ通信使№786  52018-5-20
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

5月20日はヒコビア会の共催する植物観察会に参加してきました。
場所は大竹市・三倉岳周辺でした。
10時現地集合とあったので8時過ぎに家を出ます。
中国自動車道を南下、宮島SAで途中休憩して大野ICで一般道に下ります。
ここからがややこしい!


松ケ原という集落を通って渡ノ瀬貯水湖を経由し玖島川を下降して三倉岳に至れ・・と案内にありました。
過去数回、三倉岳には行った記憶がありますがこの道は曲がりくねっていることと細い、それに地図にも詳しく表示されていない山道です。
もちろん車にナビゲーションシステムはありません。
迷いましたね~~大野町に出てからは~~~
何とか昔の行程を思い出しながら三倉岳のふもとに到着出来ました。


三倉岳の見える水田地帯


この辺りは花崗岩がむき出しで高低差のある山塊が続く地域です。
平地が少なく明治時代には鉄道をひくのに苦労した地域でもあり、その前は人馬も通行が困難な場所だったと聞きます。
過去、火山による造山活動があって地下のマグマが隆起して冷え固まり花崗岩地域が出来たのでしょう。
山並みは東に向かって日本三景の宮島に続きます。


三倉岳三鋒


観察会には約30名が参加されていました。
道すがら順に見れた植物を記載してみましょう。
タンナサワフタギ ヤマザクラ ゼンマイ ハイノキ  
シロモジ ツクシハギ タチツボスミレ ツクバネガシ  
カマツカ ヤマハゼ フデリンドウ (アップ) ヤマシロギク  
イソノキ ヤブウツギ ナガバタチツボスミレ ダイコンソウ  
カゴノキ エゴノキ キクバヤマボクチ ヤブコウジ  
ハネミノイヌエンジュ オオバウマノスズクサ ハンショウヅル ネズミモチ  
バイカツツジ ソヨゴ ヤブムラサキ タムシバ  
ダイセンミツバツツジ シャシャンボ サルトリイバラ ヤマボウシ ()  
ヤマウルシ クロモジ トウゲシバ ヒヨドリバナ  
ヤマツツジ コナスビ ナツハゼ アテツマンサク  
シュンラン ネコハギ サンヨウアオイ ゴンズイ  
オオバノトンボソウ ヨツバムグラ ザイフリボク(シデザクラ) ウツクシザサ  
ヒサカキ アマドコロ ゲンノショウコ カスミザクラ  
ネジキ タラヨウ カキドオシ イヌザンショウ  
アセビ シラン ミヤコイバラ ノアザミ  
コシダ ガンピ ウリカエデ スミレ  
アラカシ スノキ ヌルデ クサスギカズラ  
コガクウツギ タチシノブ コバノガマズミ ササユリ  
ガクウツギ クマワラビ コシアブラ ヤマヒョウタンボク  
マルバアオダモ コアジサイ イノモトソウ マツブサ  
アマズル ママコナ ヤマシグレ アオダモ  
ツルニンジン ノギラン イワガラミ キブシ  
コムラサキ コハウチワカエデ コウヤボウキ ミヤマガマズミ  
ヤマイバラ チジミザサ シキミ ミヤマナルコユリ ()  
ウマノスズクサ ヤブソテツ ウラジロガシ アベマキ  
ウツギ オオツヅラフジ ミツバツツジ クモキリソウ  
ノブドウ サジガンクビソウ ツタウルシ ナガバコウヤボウキ (花痕)  
ミツバツチグリ ヤブツバキ ツルウメモドキ リンドウ  
ハナニガナ ウラジロ ヤブニッケイ ツクバネウツギ (ガク片五枚)  
ニガナ イヌツゲ ウラジロノキ アカシデ  
エビズル クリ コカンスゲ メドハギ  
ミツバアケビ タブノキ レッドロビン(逸出) ツルリンドウ  
ナワシロイチゴ ホオノキ ギンリョウソウ カナメモチ  
ヨモギ アカメガシワ イタドリ ベニシダ  
 ゲジゲジシダ キジノオシダ シラカシ  サルナシ  


バイカツツジ

今日、はじめて確認できた植物がありました。
オオバウマノスズクサです。


オオバウマノスズクサ


葉の落ちた幹だけは見た記憶があるのですが花は初めてでした。
危険な場所にあったことと、ほとんど蕾の状態で開花したものを撮影するには難しい状態でした。
何とかこれくらいに撮影出来ましたがもう少し奇麗に写したかった・・・


オオバウマノスズクサ



中国ではオオバウマノスズクサの近縁でキダチウマノスズクサがあり生薬名で関木通(かんもくつう)として流通しています。
日本において数十年前、木通(もくつう)の入る漢方薬処方に関木通を使ったために副作用例が出て社会問題となりました。
木通はツヅラフジ科の植物ですが関木通はウマノスズクサ科の植物でアリストロキア酸を含み使用方法や使用量を間違うと副作用が現れます。

今回、ウマノスズクサ科の植物でカンアオイ属のサンヨウアオイがありましたが近縁の植物(ウスバサイシン属)にはウスバサイシンがあり根部を漢方処方の麻黄附子細辛湯や小青竜湯に配剤します。
下を向いて咲く花が6室に分かれているようで地域性も考慮してサンヨウアオイと断定しました。(カンアオイ属で12室に分かれたものにミヤコアオイがあります。クロフネサイシンのめしべ(花柱)は3本、ウスバサイシンのめしべ(花柱)は6本です。)
徳川の紋章にも使われる葵の葉ですが種子が飛散せず1メートル勢力範囲を拡げるのに100年かかると言われています。
その為、地域性が強くいろいろな種類があります。

風の強い一日でした。
稲が植えられた水田を見ながら来た道をたどり帰路につきました。


ホーム   一覧に戻る